FUT5

本遺伝子はα1-3フコース転移酵素5 (FUT5)をコードしている。α1-3フコース転移酵素(α3FUT)は、FUT3、FUT4、FUT5、FUT6、FUT7、FUT9の６種類あり、それぞれ特有の基質特異性をもつことがin vitroで証明されている。FUT5はそのリコンビナントタンパク質の酵素解析により、末端のシアル酸の有無に関係なく、1型ラクトサミン構造（Galb1-3GlcNAcb1-3-R）ならびに２型ラクトサミン構造（Galβ1,4GlcNAcβ1,3-R）のGlcNAc に、α1,3-結合でフコースを転移する活性をもっていることが明らかにされている。1型ラクトサミン構造よりも2型ラクトサミン構造に対する転移活性の方が強い。また、非還元末端側（から２番目の；penultimate GlcNAc）のGlcNAcよりも、内側（還元末端側）のGlcNAc (internal GlcNAc) をより好んでFuc転移する活性を示し、VIM2抗原の合成を行うことが報告されている。 しかしながら、FUT6のアミノ酸配列はFUT3との相同性が非常に高い(91%)が、その遺伝子発現は非常に限定的であり、組織や細胞での発現がはほとんど認められない。従って、その生物学的機能については今のところ不明である。