EXTL2

EXTL2はexostosin-like glycosyltransferase 2をコードする。この遺伝子はmultiple exostoses (EXT) familyに属し、ヘパラン硫酸およびヘパリン生合成に関与する。 EXTL2は、リンケージ4糖のアナログ糖基質(GlcAb1-3Gabl1-O-naphthalenemethanol, GlcAb1-3Gabl1-O-C2H4NHCbz)に対してGlcNAc転移活性を示すことから、へパラン硫酸合成開始のGlcNAcT-I活性を有する可能性が示唆されている。また、この酵素はin vitroでの基質特異性解析では、リンケージ4糖のオリゴ糖基質(GlcAb1-3Gabl1-3Galb1-4Xylb1-O-Ser)等に対して、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を転移する活性も示すことも報告されている。EXTL2遺伝子の発現を変動させる実験などを通して、EXTL2がHSのchain terminatorとして機能し、ヘパラン硫酸・ヘパリンの伸長に影響を与えているという可能性も示唆されている。 その他のEXT遺伝子ファミリーも、いずれもヘパラン硫酸・ヘパリン合成に関わる糖転移酵素活性を有しているが、EXT1やEXT2などとは異なり、EXTL2に関しては遺伝性多発性外骨腫（HME）との関連については報告されていない。一方、Sanfilippo C syndromeにおいては、その治療（治療薬開発）のターゲットとしてEXTL2(とEXTL3)遺伝子が有用であるとの報告がされている。