LARGE

本LARGE遺伝子はヒトゲノムにおいて最大級サイズの遺伝子の一つであるが、この遺伝子にはβ1-3-グルクロン酸転移酵素活性とα1,3-キシロース転移酵素活性の２つの活性も有する糖転移酵素をコードされている。この酵素はα−ジストログリカンの糖鎖(リン酸化O-マンノース糖鎖；(N-acetylgalactosamine-beta-3-N-acetylglucosamine-beta-4-(phosphate-6-)mannose)の生合成に関与しており、(Xyla1-3GlcAb1-3)nの2糖繰り返し構造を合成する。このα−ジストログリカン上のO-マンノース糖鎖はlamininとの結合に重要な役割を果たしており、筋肉の機能に重要である。この遺伝子の変異によってα−ジストログリカンの糖鎖異常が起こることで、先天性の筋ジストロフィーの一つであるMDC1Dを発症することが明らかとなっている。また、LARGE/LARGE2の合成する２糖の繰り返し構造([Xyla1-3GlcAb1-4]n)の最初の起点となるGlcA ([GlcAb1-4Xyla1-R)の転移反応はB4GAT1酵素が関与する。